一般財団法人 東美鑑定評価機構
設立のご挨拶
2017年12月27日、内閣官房の文化経済戦略チームと文化庁が、「文化経済戦略」を策定しました。
「文化経済戦略」は、文化と産業・観光等他分野が一体となって新たな価値を創出し、創出された価値が、文化芸術の保存・継承や新たな創造等に対して効果的に再投資されることにより、自立的・継続的に発展していくメカニズムを形成することを目的としています。
そして、文化芸術の保存・継承を具体的に実行するために、相続・贈与・寄付等の新しい制度創設が要請されており、その前提として、文化財・美術品の価値を評価するための標準たる精通者としての役割を果たす公的機関の存在が不可欠であります。
この点、株式会社東京美術倶楽部鑑定委員会は、標準たる精通者として公知され、いわゆる鑑定書裁判においても裁判所からその地位を認められるなど、営利団体である株式会社の一組織としての役割を超え、美術品の鑑定を通じて価値を保ち、また、美術品の価格の適正な査定を通じて売買・流通の健全化を図るなど公的な役割を担ってまいりました。
そこで、これらの公的な役割を果たすべく、株式会社東京美術倶楽部鑑定委員会が築いてきた標準たる精通者としての役割を引きつぐ組織として、本財団を設立したものであります。
2018年6月1日
浅 木 正 勝